2003年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
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【ベルリン20日片岡正明】「ばかげた戦争はやめて」「戦争ノー」−力強い唱和や「わたしたちは勝利する」の歌声が気温三度のベルリンの曇り空に響きました。
米国がイラク戦争を開始した二十日、ドイツの高校生たちが各地で抗議デモをおこないました。
ベルリンのウンターデンリンデン通りを行進していたステファン君(16)は「まともな理由もなく多くの人を殺すなんてだめだ。こうやって一つ一つのデモが重なっていけば大きな力を持つと思う」と話しました。
二十日正午にデモに参加した高校生はベルリンで二万人、ミュンヘンで五千人、ケルンで二千人を超えました。
ドイツでは夕方にかけ、全国各地で約三百の反戦集会が予定されています。
【パリ10日浅田信幸】欧州各国で二十日、米政権による対イラク戦争に抗議する波が急速に広がっています。
フランスでは朝一番に全学連(UNEF)が「戦争がルールとなる世界に何もせずに生きることはできない」とのアピールを発表し、授業放棄を呼びかけました。パリでは同日夕刻、米大使館前で抗議行動が予定されています。パリやリヨンなどでは、午前中から学生、高校生たちの抗議行動が行われました。
イタリアでは、三大労組が午後三時から二時間のゼネストを呼びかけています。最大労組である労働総同盟(CGIL)のエピファーニ書記長は同日朝、「労働者は工場、職場を放棄し、平和、戦争反対の意思を示しつつある」とのべ、「政府は犯した誤りにすぐ気づくことになるだろう」と米支持を表明したベルルスコーニ政権を非難しました。
同国ではローマ、ミラノ、ナポリなど主要都市で午前中から高校生や大学生が抗議行動を開始。ローマの米大使館前では約千人が「戦争ノー、爆弾ノー」を叫んで座り込み。ミラノでは、高校生や労組組合員ら主催者発表で十万人が抗議デモを行いました。
政府が米支持の立場を表明しているスペインでも、この間の大規模な反戦デモを主催した「戦争反対プラットホーム」が開戦に抗議し、アスナール首相の辞任を求めるとともに米大使館前での抗議行動を呼びかけました。
ギリシャのアテネでは午前中に、早くも警察発表で十五万人に達する大学生、高校生が「爆撃の即時中止」を求め、「ブッシュ、人殺し」などと叫びながら米大使館に向けて市内を行進しました。
またスイスでも高校生がいっせいに授業を放棄し、ジュネーブ五千人、ヌーシャテル三千人など全国の約三十都市で、平和を意味する虹の旗をもってデモを繰り広げました。
【ロンドン20日西尾正哉】二月十五日の英史上最大のデモを主催した「戦争ストップ連合」は二十日、ロンドンで記者会見し、英・米によるイラク侵略攻撃について「許されざる暴挙」と糾弾するとともに、同日午後六時から各都市での緊急の抗議行動と二十二日のロンドンでのデモ・集会への参加を呼びかけました。
「戦争ストップ連合」のアンドリュー・マレイ議長は、軍事行動は「世界平和やイラク市民に対する許されざる暴虐であり、国際法やイギリスの民主主義を踏みにじるもので激怒している」と非難しました。
首都ロンドンのほか、イングランド北部のマンチェスター、リーズ、ブラッドフォードなど英各地で二十日午前から職場や学園から出て労働者や学生たちが集会を始めました。ロンドンの議事堂前広場では高校生などが集まり、「イラクへの攻撃をやめろ」と叫びながらデモを行いました。
マレイ議長は、本紙の取材に対し「人道的にも道徳的にも正当化できない戦争だ。英国政府は英国民の意見を代表していない。日本の人たちも、自分たちの怒りを明確にあらわして、日本政府を非難されることだと思う。ともに連帯したい」とのべました。