2003年3月21日(金)「しんぶん赤旗」
「スポーツマンも平和の声をあげよう」−−。20日、東京・渋谷の岸記念体育会館で、スポーツ選手、研究者、ジャーナリストら16氏が呼びかけて「スポーツは戦争を拒否します」とのアピール(別項)を公表、合わせて来月2日に「イラク攻撃に反対するスポーツマンのつどい」(主催「つどい」実行委員会)を行うと発表しました。
呼びかけ人として会見したのは、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏、大野晃氏、川口智久・一橋大学名誉教授、長尾正二・新日本スポーツ連盟会長の4人。
代表してアピールと「つどい」開催の趣旨を説明した谷口氏は「オリンピック憲章などにあるように『平和主義』がスポーツの大事な役割としてある。このイラク戦争にたいし、現役のスポーツ選手、指導者、知識人、草の根の人々も含めて、声を上げる場をなんとしてもつくらなくてはいけないと思った。1人でも多くのスポーツマン、関係者の発言する場としたい」とのべました。
川口氏は、「大リーグは第2次世界大戦中にも行われたが、戦争でレベルが落ち、戦後、人々から見放された。戦争はスポーツの発展にマイナス」と指摘しました。
2日の「つどい」は、午後7時から東京体育館(第一研修室)で行われます。問い合わせ先は「つどい」実行委員会(新日本スポーツ連盟内)まで。電話は03・3986・5401。
荒木豊(山梨大学名誉教授)伊藤公(オリンピック評論家)伊藤高弘(武蔵野美術大学教授)上柿和生(スポーツデザイン研究所)大野晃(スポーツジャーナリスト)長田渚左(スポーツジャーナリスト)川口智久(一橋大学名誉教授)草深直臣(現代スポーツ研究会代表幹事)栗岩恵一(元アルペンスキー・ワールドカップ選手)小林秀一(プロボクシング・日本ウエルター級チャンピオン)谷口源太郎(スポーツジャーナリスト)長尾正二(新日本スポーツ連盟会長)正木健雄(日本子どもを守る会副会長)森敏生(学校体育研究同志会全国常任委員長)森川貞夫(国民スポーツ研究所代表)守屋益男(日本勤労者山岳連盟会長)
□アピール全文□ 世界の多くの人々の反対や国連安保理の平和的解決への努力を無視して強行されたアメリカ、イギリスなどのイラクに対する武力攻撃の開始に強く抗議し、一刻も早く戦争を終結させることを求めます。同時に、日本政府が、この攻撃を支持し支援することをやめ、平和的な解決のために努力することを求めます。 スポーツは、国家的利害、宗教や民族の対立をこえて、世界の人々が相互理解をふかめ、暴力や憎しみを拒否し、「人の心の中に平和のとりでを築く」(ユネスコ憲章前文)文化です。どのような理由があろうとも、戦争はスポーツとは相容れません。いまこそ、ともにスポーツを愛好するものとして、平和憲法を持つ国の国民の一人として、戦争をやめさせるために声をあげましょう。 ドイツでは、オリンピックメダリストなど500人のスポーツ選手が「イラク戦争NO」の署名を国連に届ける行動を起こしています。シドニーオリンピック男子柔道の金メダリスト、フランスのドイエ選手も反対の意志を表明しています。こうした世界のスポーツマンの戦争反対の声と連帯し、日本においても多くのスポーツ選手、コーチ・指導者、スポーツジャーナリスト、スポーツ愛好者の一人一人が、平和の意志を表明し行動することを心からよびかけます。 そのために私たちは4月2日(水)東京都内において「イラク戦争に反対するスポーツマンのつどい」を行います。みなさんの声と意志を持ち寄り、世界のスポーツマンとともに、「イラク戦争NO!」の声をあげ、行動することを強く訴えます。 |