2003年3月22日(土)「しんぶん赤旗」
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「NO WAR」「戦争反対!」。高校生たちの声が幾重にも重なります。全国高校生平和大集会が開かれた二十一日、東京・渋谷に千二百人の平和の波が現れました。
学校の制服姿で、部活帰りのジャージを着て、お気に入りのバッグに手づくりのピースバッジをつけて、冷たい公園の地面に座り込んだ高校生たち。だれもが口にしたのは、「同世代のみんなが、こんなにたくさん戦争反対で集まるなんて、すっごいうれしい」という言葉でした。「世界中が反対したのに、戦争が始まって悲しいし、悔しい」。けれど、公園にあふれたのは、あきらめや絶望感ではありません。
「人が死ぬのは耐えられない。小泉さんは戦争支持っていったけど、あたしたちの意思は絶対違う」というのは、愛知・犬山市から駆けつけた及川沙織さん(18)。「あたしたちの力は小さいけど、何かしたら変わるかもしれないし、変えるために行動したいと思う。戦争反対の若いあたしたちが世界のトップに立って、戦争をやめさせたい」と、ピースウオークに向かいました。
オレンジ色のリュックにピースバッジをいっぱいつけて参加した山縣幸雄さん(16)は、前日空爆に抗議してアメリカ大使館前に泊まり込み、会場に直接きました。頭の真ん中だけに生やした赤茶色の髪をつんつんに立てています。「おれらの反戦行動を警察が押さえつけてるとき、空爆が始まった。すげー悔しかった。戦争は憎しみを呼ぶだけだし、普通の人が死ぬのはやだし、それが戦争に反対する理由。『戦争支持を国民に理解してもらう』って小泉さんは言ったけど、おれたちは理解しないから」
集会では、全国から集まった高校生が発言。長野の高校生は、「もうだめって思いたくないし、あきらめたくない。この運動が広がっていくことを願っています。みんな、あきらめないで、『戦争反対』を続けていきましょう」と呼びかけ。「署名を集めてたら、『イラクに賛成か』って言われたけど、ぼくらは『戦争に反対』なんです」(千葉)、「きのうの朝にピースウオークを決めて、夜やった」(福井)、「千二百人分の署名を小泉首相に届けるまで、きょうは帰らない」(兵庫)…。司会が「これで最後の発言です」と何度も繰り返すほど、思いをアピールしたい高校生がいつまでも途絶えませんでした。
(丸山聡子記者)