2003年3月23日(日)「しんぶん赤旗」
【北京22日小寺松雄】中国では米英のイラク攻撃に対して中国外務省が二十日に中止要求声明を出したことを受けて、メディアを初め各分野での「イラク攻撃反対」キャンペーンが進んでいます。
外務省声明は「武力行使や武力による威嚇に反対する」と述べ、米英などに「軍事行動を中止し、事態を政治解決の軌道に戻せ」と訴えています。
この声明を支持する形で、二十一日からは全国人民代表大会(全人代、国会に相当)、政治協商会議両組織の外事委員会、中国イスラム協会などが「国連の枠内で平和的解決を」「軍事行動を中止し、政治解決の道に戻せ」などの声明を発表しました。イスラム協会声明は「アラーの神よ、イラクの兄弟姉妹が戦禍から逃れられますように、世界に平和と安寧が訪れますように」と結んでいます。
中国共産党機関紙・人民日報二十一日付は評論員論文を掲載、ブッシュ米大統領の開戦演説をとりあげ「合法性も道義もない戦争である」と批判しています。
中国国営新華社通信は二十一日から、「広範な中国国民は政府の立場を擁護、支持する」という記事の配信を始めました。地方都市の大学教授、北京のイスラム協会幹部、黒龍江省ハルビンの工場責任者の談話を紹介、新華社としてもキャンペーンを強める構えです。
国営中国中央テレビも同様の企画をスタート。二十一日夜のニュースでは北京大学の教授、清華大学の学生らの「戦争反対」の声を伝えました。