2003年3月24日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の市田忠義書記局長は二十三日のNHK番組「日曜討論」に出演、イラク攻撃と日本政府の対応について各党幹事長と討論しました。
イラク攻撃について市田氏は、アメリカが攻撃されたわけでもないのに、その恐れだけで武力行使するのは国連憲章が禁じる先制攻撃そのものだと指摘。「アメリカが裁判官のように決めたらいつでも攻撃できることになれば、世界は無秩序の無法地帯に化してしまう」とのべました。
自民党の山崎拓幹事長は、これまでの国連決議を「三点セット」とのべ「(武力行使容認の)安保理決議六七八に戻る」などと武力行使を合理化しました。
市田氏は「武力行使ができないから新しい決議を求めたのに、それが実現しなかったら今度は、これまでの決議でも(武力行使が)授権されていたというのはごまかしだ」とのべ、「六七八はクウェート侵略を除去するための決議だ。それを持ってくるのは論外だ」と批判しました。
また与党側は「信頼関係がないと日本が攻撃受けたときにアメリカが守ってくれるかどうか」(公明党・冬柴鉄三幹事長)などと北朝鮮問題を持ち出してイラク攻撃支持を正当化しました。
市田氏は「イラクの罪なき人を犠牲にして日本の安全を守ってもらおうという論理自身が間違っている」と指摘。「武力で問題解決するやり方を肯定すれば、北の問題でも平和的に解決しようとしているのに、武力行使を容認することにつながる」とのべました。
山崎氏は「日米同盟は致命的な関係」などと攻撃支持の理由に日米安保を持ち出しました。
市田氏はアメリカと強固な同盟関係にあるカナダでも不支持を表明していることにもふれて、小泉内閣の異常な対米追随ぶりを批判し、「日米同盟を持ち出したら何でも合理化できるという発想が間違っている」とのべました。
戦争後の復興支援について与党側は「人道的立場から率先してやるべきだ」(冬柴氏)などと発言しました。
市田氏は「最も非人道的な殺りくを支援して何が人道支援か。人の命は復興できない。復興を考えるなら、直ちに戦争をやめよと憲法九条を持つ国なら言うべきだ。与党に人道を語る資格はない」とのべました。
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