2003年3月24日(月)「しんぶん赤旗」
【ベルリン２２日片岡正明】ドイツで二十二日も、全国各地で反戦デモがあり十万人以上が参加しました。
ベルリンでは、「戦争ストップ」「米爆撃機の領空通過を許すな」の横断幕。米テレビが「戦争をテレビ・ショーにしている」と批判の声が。フランクフルトでは、クルド系市民を中心に三万人が、イラク戦争反対とトルコのクルド人攻撃をやめよと要求しました。
【パリ２２日浅田信幸】米英によるイラク爆撃開始後、初の週末の二十二日、欧州各地でいっせいに戦争に反対するデモや集会が行われました。
ポルトガルのリスボンでは九万人｡ソアレス元大統領とグテレス元首相がそろって参加､ソアレス氏は｢この戦争は無法で､ばかげており､道義に反する」と語りました。
六万人が集まったスウェーデンのストックホルムのデモには複数の現職閣僚が初めて参加。ボストレーム法相は「米国は査察官の仕事を成し遂げさせるべきだった」と語りました。
スペインのマドリードでは二十五万人、バルセロナでは七十五万人が戦争反対を掲げて行進し、アスナール首相の辞任を要求しました。
イタリア・ミラノでは空襲警報に似たサイレンを鳴らし、大聖堂前で十五万人が三分間の黙とうをささげました。
ドイツではベルリンをはじめ全国各地で反戦デモが行われました。
 22日、パリで行われた反戦デモの出発地点の共和国広場に集まった人々（浅田信幸撮影） |
【パリ２２日浅田信幸】パリで二十二日行われたデモには主催者発表で十万人の人々が参加し、イラク戦争に怒りの声をあげました。二十日の爆撃開始から、一躍フランス反戦運動の主役に躍り出た学生、高校生が多く、子どもの手を引く家族連れの姿も目立ちました。
「これは米英とイラクの戦争ではありません。世界の良識と米英との戦争です」―大学職員のアメリー・ラモットさん（４５）は怒りに声を震わせました。「けさのニュースでも市民に被害が出ています。無法な戦争をやめさせ、国際法を守るために、地球規模で市民がデモを続けなければなりません」
国鉄労働者のジャンピエールさん（４３）は「世界の経済がめちゃくちゃになり、われわれの生活にも影響があるかもしれない。戦争をやめさせるために、デモでも何でもやることが必要だ」と語りました。
【サンティアゴ２２日菅原啓】南米チリの首都サンティアゴで二十二日行われたデモには、同国の反戦行動として最大規模の約一万人が参加しました。
主催者代表は集会で、国連の承認なしの武力攻撃を「不法な戦争行為だ」と強く糾弾し、即時中止を要求するとともに、抗議の意思を示すために米国製品のボイコット運動を呼びかけました。
「ブッシュ、あなたはイラクで強盗行為を働いている」とのプラカードを掲げて七歳の娘とともに参加した会社員、ウォルド・コントレラスさん（４０）は、「他国の主権を踏みにじる米国の干渉主義に反対だ。中南米の人々はみんな平和を求めている。米国言いなりの植民地になるのはごめんだ」と語りました。
独立系のジャーナリスト、グロリアさんは、「世界の圧倒的多数の人々が反対しているのに、戦争を開始したブッシュ大統領は許せない。各国政府は国民の意思を尊重すべきだ」と語り、「未来は諸国民のものだ、ブッシュ」と書かれたポスターを高く掲げました。
【シドニー２３日ロイター】オーストラリアで二十三日、前日に続いてシドニーで三万人、首都キャンベラで五千人の反戦デモが行われ、メルボルンでは「爆弾に反対する赤ちゃん」と銘打った子ども連れの行進、アデレードでは模造のひつぎを担いだ数千人の「葬送行進」が展開されました。
シドニーでは「米国も武装解除を」と書いたプラカードが。「わが国は侵略国になってしまい、世界を不安な状況に陥れ、国連を踏みつけにした｣(三人の子の父親）など、米国に追随して参戦したハワード首相を非難する声が渦巻きました。
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