2003年3月25日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ24日小泉大介】シリア国営シリア・アラブ通信が伝えたところによると、イラク西部の町ルドバで二十三日、米軍機が民間バスをミサイルで爆撃し、シリア人五人が死亡、十人が負傷しました。イラクからシリアに脱出しようとしていたシリア人三十七人が乗っていたといいます。
また、イラクのサハフ情報相は二十四日午前記者会見し、二十三日から二十四日にかけての米英軍の攻撃で、イラクの民間人六十二人が死亡、四百人が負傷したと発表しました。死者はバグダッド南方のバベルで三十人、バスラで十四人など。二十日の開戦以来、イラク民間人犠牲者は、当局発表で死者百四十人以上、負傷者は千人以上にのぼります。
【ワシントン24日浜谷浩司】イラクに侵攻した米英地上軍は現地時間二十四日もイラク軍と激しく交戦。「順調な進軍」ぶりが強調されたこれまでの姿に代わって、戦争の醜さをさらけ出しつつあります。
米英軍は二十四日未明、バグダッドに攻撃開始以来最も激しい爆撃を加えました。市内では数度にわたってごう音が響き、炎と煙が広範囲に立ち上りました。
イラク軍の反撃も激しさを増しています。ユーフラテス川沿いの南部の拠点ナシリヤでは二十三日、「これまでで最も激しい交戦」(米中央軍)が起き、十五人近い米海兵隊員が死亡しました。
ブッシュ米大統領は二十三日(米東部時間)、イラクのフセイン大統領は「支配を失いつつある」とする一方、「戦争は始まったばかりだ」と、なお時間がかかることを警告しました。
フセイン大統領は二十四日午前十一時(日本時間同日午後五時)すぎからテレビで国民向けに演説し、徹底抗戦を呼びかけました。