2003年3月25日(火)「しんぶん赤旗」
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【ワシントン23日山崎伸治】「兵士を無事に本国にもどせ」「もう戦争は必要ない」−−二十三日、米国の首都ワシントンで退役軍人とその家族、支援者、イラク戦争に家族を送り出している人たちなど五百人が参加し、イラク戦争反対のデモと集会が行われました。
「ベテランズ・フォー・ピース」など反戦・平和を掲げる退役軍人組織などで構成する「イラク戦争に反対する退役軍人」が主催したもの。
集会では、第二次世界大戦直後、核実験に動員された「アトミック・ソルジャー」の代表やベトナム戦争で枯葉剤の被害を受けた米兵、湾岸戦争の帰還兵らが発言。
このうち陸軍の戦場情報部員として湾岸戦争に参加したセス・ポラックさん(32)は、「下院は(イラク戦争の)『兵士支持』決議を採択した翌日に、障害をもった退役軍人のための保健予算を削減した」とのべ、湾岸戦争帰還兵に対する政府の冷たい仕打ちを告発しました。
参加者は腕に喪章を巻き、「退役軍人は戦争に反対する」「ブッシュ大統領を弾劾せよ」などと書かれたプラカードやパネルを掲げ、市内中心部をデモ行進。「われわれはベトナムをけっして忘れない」「われわれはイラクの戦争を必要としていない」と声を張り上げました。
息子が陸軍医療救援部隊のヘリコプター操縦士としてクウェートに駐留し、イラクにも出撃しているというジェフリー・マッケンジーさん(48)は家族の写真を掲げて行進。「先週月曜日に『これから出撃する』という電子メールを受け取り、次のメールが届くまでは気が気でなかった」と胸のうちを明かしながら、「イラク戦争は国際法上も、憲法上も違法な戦争だ」と強調しました。
「私はベトナム戦争帰還兵。息子は湾岸戦争帰還兵」と書かれたプラカードを高々と掲げたチャーリー・ショウブさん(62)は、「イラク戦争反対は帰還兵だけでなく、全米市民、全世界が声をあげるべきだ」と語っていました。