2003年3月26日(水)「しんぶん赤旗」
四月からの医療費三割負担の実施「凍結」「延期」などを求める意見書・請願を二・三月議会で可決した議会が、都道府県レベルでは二十一道府県となり、十二月議会で可決した長野県を含め二十二道府県(うち埼玉と岡山の二県が請願の趣旨採択)に達していることが本紙の調べで明らかになりました。政令市では、川崎、京都、神戸の三市が意見書を可決しています。
どの議会の「意見書」も、深刻な不況のもとでの値上げは、さらなる景気の冷え込みを招き、給与生活者の暮らしと健康を悪化させるとして実施の「延期」「凍結」などを強く求めています。
三割負担を含む医療改悪案は昨年七月に強行採決されましたが、その後も反対の運動が広がる一方、与党の自民党・公明党が意見書案を否決したり、事実上の廃案にしたりするなど各地で攻防が繰り広げられました。意見書を可決した多くの議会では、自民党が中央の方針に反して意見書を提出、賛成するところへ追いこまれました。
こうしたなかで、坂口厚生労働相を抱える公明党の妨害姿勢は表のように顕著です。早い段階で可決した長野や、北海道では公明党も含め全会一致でしたが、沖縄、青森では退場、佐賀は欠席、その他は反対しました。
千葉県議会では、日本共産党や、社民・民主などが提出した「凍結」を求める意見書は不採択になったものの、自民党が提出した「三割負担実施の慎重な運用を求める意見書」を可決。これにも公明党は反対しました。
さらに高知県議会では、三カ月前の十二月議会で全会一致可決したにもかかわらず、今議会では同党が反対。意見書は賛成多数で可決されました。
横浜市、川崎市、神戸市では、自民、公明両党が反対しましたが、賛成多数で可決しています。
大阪・門真市では否決するばかりか「無責任な問題の先送りは、医療保険財政をさらに悪化させ、今以上の大きな負担として国民に跳ね返ってくる」と、「凍結」を求める声を敵視する意見書(案)を提出、どの会派も賛同せず、成立しませんでした。
3割負担凍結などの意見書(請願)可決議会と公明議員の態度
北海道 賛成
青 森 退場
岩 手 反対
宮 城 反対
秋 田 反対
福 島 反対
埼 玉 反対
千 葉 反対
新 潟 反対
長 野 賛成
三 重 反対
岐 阜 反対
京 都 反対
鳥 取 反対
岡 山 反対
徳 島 反対
高 知 反対
佐 賀 欠席
長 崎 反対
熊 本 反対
※事前に会派として反対の意向示す
鹿児島 反対
沖 縄 退場