2003年3月26日(水)「しんぶん赤旗」
公明党はイラク戦争に対し、中国地方を中心に「平和解決へ全力の公明党」(島根)、「『戦争反対』を貫きます」(広島)などと題したビラを配っています。島根県松江市と山口県宇部市でまかれたビラは、字体が微妙に違うものの、「断固、戦争反対!NO WAR!」というタテ見出しが共通し、文章やレイアウトもそっくりです。
ビラがまかれた広島や山口といえば、同党の県本部が、党本部の方針に「異議」を唱え、イラク戦争反対を表明したところです。中国新聞によれば、広島県本部の斉藤代表は「支持者の反発が想像以上だ」「それを無視し党本部の意向に従うのでは、統一地方選は戦えない」と語り(同紙十二日付)、山口県本部の三木代表は「党本部は武力行使容認の意向だが、広島だけを裸にするわけにはいかない」と語っています(同十五日付)。要するに、党本部の方針では、選挙をたたかえないというわけです。
もっともビラの中身を見ると、「戦争反対」は見出しだけです。ビラには神崎武法代表が訪米した写真や記述が載っています。しかし、神崎氏が訪米して実際にやったのは、査察打ち切り、武力行使容認の米英の新決議案に「支持」を表明してみせることでした。
公明党は、米国が世界の平和ルールを踏みにじってイラク攻撃を始めると「遺憾」「残念」などといいながら、全面支持を表明した小泉内閣の方針を了承。米国の戦争を「国連憲章の範囲内」と擁護し、戦争容認の立場を正当化するのに躍起になっています。
冬柴鉄三幹事長は、こうした立場から世界で高まる反戦運動を「利敵行為」と敵視してきました。「戦争反対」と宣伝する、こうした地方の公明党も、「利敵行為」ということになるのでしょうか。