日本共産党

2003年3月29日(土)「しんぶん赤旗」

75歳以上から保険料徴収

医療改悪 新たな制度を創設

閣議決定

都道府県単位に「保険統合」


 政府は二十八日の閣議で、医療制度「抜本改革」の基本方針を決定しました。七十五歳以上を対象にした新たな保険制度の創設によって、サラリーマンの扶養家族になっている高齢者(二○○七年時点で二百三十五万人)にも新たに保険料負担を要求。都道府県単位に各保険を「統合」し、国の責任を後退させる制度改悪となっています。


 現行の高齢者医療制度は、高齢者医療費を別会計(老人保健制度、当初七十歳から)とし、サラリーマンの健康保険など現役世代の保険からの拠出金と国・自治体の公費で賄っています。

 新制度では、この老人保健制度を廃止し、七十五歳以上の約千二百万人(○七年)が加入する別建ての保険(独立保険)を創設。国民健康保険、健保などの加入者から別建ての「連帯保険料」を徴収します。

 七十五歳以上の独立保険に加入する高齢者は全員保険料を負担。介護保険料、利用料に加え、さらに重い負担となります。保険料の水準などは今後の検討課題としています。

 また六十五−七十四歳の医療費は、サラリーマンの退職者医療制度を廃止する一方、各保険間で財政支援する仕組みを導入するとしています。

 現行制度で七十歳以上は一割(一部は二割)、六十九歳以下は三割と分かれている窓口負担の変更についても「検討する」としています。

 また市町村が運営する国保、政府管掌健康保険、小規模組合健保などの運営をそれぞれ都道府県単位に再編・統合します。これにより、政管健保で国の運営責任がなくなり、国保の抱える問題にもなんら対策を示しておらず、全都道府県が反対しています。

 政府は○五年の国会に関連法案を提出し、○八年度の実施を目指しています。


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