2003年4月1日(火)「しんぶん赤旗」
大島理森農水相は三十一日、病院建設をめぐり元公設秘書が数千万円の「口利き」料を受領した疑惑や、別の元秘書が後援者から選挙資金として受け取った献金の「私的流用」など一連の疑惑の責任を取るとして辞任しました。小泉内閣の閣僚辞任は昨年一月の田中真紀子前外相の更迭に次ぐ二人目で、昨年九月の改造内閣では初めてです。
日本共産党の市田忠義書記局長は国会内で、マスコミ各社から意見を求められ、真相の徹底解明を求めました。
大島氏は同日午後に農水省で会見し、昨年来の元公設秘書の疑惑に関する国会での追及に対し「誠実に対応し、国民の皆様方の理解を得られるよう努めてきた」と弁明。元秘書の疑惑について「道義的な問題や、私自身まったく知らなかったこともあった。『政治家に秘書の監督責任がある』と言った人間として、自責の念にかられたことも一度ならずある」としながら、これまでは農水相の職務遂行を優先させてきたと説明しました。
この日辞任に至ったきっかけとして、二〇〇三年度予算の成立とWTO(世界貿易機関)交渉に区切りがついたことをあげ、「政治家としての責任を明確にするため大臣の職を辞することを決意した。内閣、国会の運営に迷惑をかけ、おわびする」とのべました。
小泉純一郎首相は辞任に対し「残念です」と一言のべただけでした。