2003年4月1日(火)「しんぶん赤旗」
イラク攻撃が始まって十一日目となった三十一日、アメリカ大使館前に約六十人の高校生が集まりました。手には、三月上旬から集めてきたピースフルメッセージの束。その数は、わずか一カ月足らずで千十二人分になりました。
「イラク攻撃をやめろー」「高校生の平和への思いを受け取れ!」。元気なコールが続くなか、代表の高校生が、メッセージの束と、二十一日に渋谷で開いた「3・21全国高校生平和大集会」のアピールをアメリカ大使館に提出しました。
四月から高校三年生になる東京・西東京市の女性(17)は、友人と二人で署名を提出。緊張した面持ちで、「ここには、戦争はいやだという高校生の思いがつまっています。戦争に正義なんてないと思うし、人殺しは絶対にいやです。ブッシュさんに伝えてください」と訴えました。
「ぼくたちには選挙権がなくて、政治に参加することはできないけど、高校生でも戦争に反対しているということを知らせたい」と参加したのは、埼玉・春日部市の和井田祐司さん(16)。「友だちにもメッセージを書いてもらった。ちょっとドキドキしたけど、みんな不安に思ってる。攻撃が始まってショックだったけど、むしろその後の方が、『戦争は良くない!』って声が強くなった。だから、おれらが動かなくてどうする! って感じです」と語りました。
「イラク戦争はいますぐやめよ」と東京都の学生有志は三十一日、新宿駅東口で宣伝し、集めた署名をアメリカ大使館に届けました。飛び入りで署名集めに加わる学生や大使館要請に同行する学生の姿がありました。
途中から宣伝に加わったのは、東村山市の宇野健治さん(22)=学生=。フランスに留学経験があり、その時の友人と手紙で「ブッシュ米大統領のやり方はおかしい」などのやりとりを続けているといいます。「みんな、アメリカ人がきらいなわけではありません。市民や子どもたちの命が失われてしまうのが許せないんです。今だからこそ、若い人が声を出していくのは大事だと思います」
カナダ・バンクーバーに留学中の刀山(たちやま)恵介さん(19)は、日本政府の対応にショックを受けているといいます。「日本は戦争でたくさんの人が殺され、核兵器を二発も使われたでしょう。だからこそ戦争反対と率先していうべきなのに、支持するなんて。小泉首相を一発できらいになりました」。署名に応じた後、アメリカ大使館要請に参加しました。
「人間なんだから言葉がある。戦争以外の解決法があるはずです」=小学校非常勤講師の女性(22)=、「戦争やめた方がいいと行動しているのはすごい」=世田谷区の会社員の女性(20)=と多くの人が署名しました。