2003年4月2日(水)「しんぶん赤旗」
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「殺すな」と赤で書かれたプラカードを掲げ、イラク戦争反対を「無言」で静かに訴える――。市民の意見30の会・東京の大木晴子さん(54)たちが、毎週土曜日の午後六時から、東京・新宿駅西口地下広場で行っている行動です。インターネットで行動を知った人が地方からも参加しています。
せわしない駅前の人込みの中に「殺すな」の文字がひときわ目を引きます。凝視していく人、手を振る外国人、うなずき歩く老人…。二月の第一土曜日から一時間、友人の細井明美さんと立ち始めました。遠くで「殺すな」を目にとめた人の歩く方向へプラカードを向けると、ずっと目で追って来てくれました。
その目は、「心のなかに『ざくっと』何かが刺さった」ようで「自分も同じ」といっているような視線でした。「心の扉を開けることができるかもしれない」。細井さんと二人「毎週立つしかないね」と決めました。
大木さんは一九六九年、地下広場を埋め尽くしたベトナム戦争に反対する「東京反戦フォークゲリラ」の輪の中でうたっていました。広場が反戦運動の「原点」です。
大木さんは「自分の意思で自分が始めること。五日の『ワールドピースナウ』のパレードに、百メートルでも歩道から参加してほしい」とエールをおくります。