2003年4月6日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン4日坂口明】世界最大の開発援助機関、国連開発計画(UNDP)のブラウン総裁は四日付米紙とのインタビューで、フセイン政権打倒後のイラク復興で国連は占領国に従属して活動することはできないと表明しました。ブッシュ米政権が、イラクの戦後統治で米英両国が中心となり、国連を補完役にしようとしていることに関して述べたもの。
ブラウン総裁はワシントン・ポスト紙に対し、イラク復興での国連の人道援助などの活動は「軍事占領者に従属してできる任務ではない」と明言。国連の活動の自主性が確保されなければ米軍と協力できないとの姿勢を示しました。
同総裁は、チェイニー米副大統領が会長兼最高経営責任者(CEO)をしていた石油関連企業ハリバートン社の子会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート社(KBR)がイラク復興事業を受注しようとしている問題について「われわれはKBR社や他の誰かの下請け業者にはなりたくない」と述べました。
また、イラク復興の経費は一千億ドル(約十二兆円)にも達する可能性があるが、イラクの石油企業は多額の投資を必要としていると指摘。米国はイラクの原油輸出収入を戦後統治の経費に充当しようとしているが、それだけでは不十分であり、米国はイラクへの外国からの投資を促進するためにも国連の法的権威を必要とするだろうとの認識を示しました。