2003年4月7日(月)「しんぶん赤旗」
Q 自衛隊の活動はどうなるのでしょうか?
A 海外で公然と武力行使する道が開かれることになります。
有事法案の中核である武力攻撃事態法案(政府原案)は、同法が発動される「武力攻撃事態」について、「わが国」に対する武力攻撃が「発生した事態」「おそれがある場合」「予測される事態」と定義。それへの「対処措置」として自衛隊が武力行使などをできると定めています。
政府は、この「わが国」の範囲を、日本の領域だけでなく、周辺事態法やテロ対策特別措置法などの海外派兵法に基づいて、海外で輸送や補給などの米軍支援を行う自衛隊の艦船なども含まれると説明。それらの自衛隊部隊が「計画的、組織的」な攻撃を受ければ、「わが国」への攻撃とみなして、武力で反撃できるとしています。
海外で米軍を支援する自衛隊部隊に対する「計画的、組織的」な攻撃の「おそれがある場合」や「予測される事態」が生まれても、有事法案は発動されることになります。
ところが、周辺事態法やテロ対策特措法は、海外で米軍を支援する自衛隊部隊の近くで戦闘が起こったり、それが「予測」される場合には、活動を一時中止するなどして、危険を回避するとしています。憲法九条の下、歴代の自民党政府でさえ、海外での自衛隊の武力行使は認められないという見解をとってきたからです。
しかし、有事法制ができれば、海外で米軍支援を行っている自衛隊部隊への攻撃が予測されても、その場に踏みとどまって支援を続ける危険があります。そして実際に攻撃を受ければ、武力を行使することになるのです。