2003年4月7日(月)「しんぶん赤旗」
米英による無法なイラク攻撃が深刻さを増す中、日本共産党はいっせい地方選のなかでも、イラク戦争の即時中止を訴え、反戦平和八十一年の真価を発揮しています。こうしたなか、自民、公明の「戦争与党」をはじめ各党の平和にたいする態度がくっきり浮かび上がっています。
小泉純一郎首相がイラク戦争を即座に支持した自民党。選挙戦のなかでは、だんまりを決め込み、ほとんどの候補者、応援弁士ともイラク戦争にふれていません。
特徴的なのは、「内政でも外政でも深刻なときの選挙。経済は厳しい。雇用でも不安感。イラク攻撃でも、サダム・フセインは市民を犠牲にしている。戦争が広がるばかり。北朝鮮問題も出口がないまま。自民・公明・保守が打開していく」(野中広務元幹事長)など、自らの恥ずべき態度については説明せずに、もっぱら陣営の引き締めにイラク戦争の問題を利用する例が目立ちます。
埼玉でも「イラク戦争で混とんとした情勢だ」(県議候補)と演説。京都では、「イラク戦争が始まって大変厳しい中で(選挙が)始まったんです。共産党はこればかりで攻めてくるだろう」と訴える府議候補もいます。
そのなかで、日米同盟を口実に戦争支持を合理化する議論もあります。たとえば、保守新党幹部は愛知県で「米国はいま国際的にきびしい状況だ。友だちである日本は助けなければならん。米英を勝たせることだ。そうでないと日本は孤立してしまう」などと侵略軍に加担。京都の府議候補も、「イラク戦争は話し合いで解決しないので戦争になった。日本は日米同盟で守られている」と訴えています。
戦争支持をごまかすのに必死なのが、公明党です。浜四津敏子代表代行は「戦争に賛成か反対かと聞かれれば、だれだって反対に決まっております。ポスターに書くほどのこともない」(四日)と、あたかも「戦争反対」かのように演説。街頭演説ではイラク戦争にふれず、支持者を集めた集会で言い訳する念の入れよう。国民に語るべき言葉を失った「戦争与党」ぶりを示しています。
埼玉の県議候補も「共産党は公明党が戦争に賛成しているかのように宣伝しているが、とんでもない」などとのっけから言い訳に回っています。
なかには、「平和を守るのは公明党だ」(千葉・元国会議員)「イラク戦争、自分も公明党も反対している」(鳥取・県議候補)などと、事実と正反対の宣伝をする例もあります。
しかし、無法なイラク戦争を支持した事実は隠せません。高野博師参院議員は、埼玉・所沢市の演説で「世界最大の脅威はテロだ。これに核兵器がわたったらどうなるか。だからアメリカの攻撃はやむを得ないと判断した」(四日)などと弁明し、無法な攻撃を支持したことを思わず告白しました。公明党は、論戦のなかで自らの「戦争与党」ぶりが明らかになると、日本共産党への筋違いな攻撃で問題をそらそうと躍起になっています。
民主党は、開戦までイラク戦争に反対し、戦争支持の政府をきびしく追及してきました。しかし、選挙戦では、積極的に、この問題をおしだす幹部や候補は少数です。
岡田克也幹事長が「アメリカの攻撃は国際的にみるとかなり疑問が残る行動だ」「同盟国としては仕方ないというのであれば、日米同盟はこんな関係しかできなかったのか、たいへん残念だ」(五日)などと小泉首相を批判したのが目立つ程度。
菅直人代表は「戦争にいたるまでの過程で、国連の決議もないままでの武力行使には反対をしてきた」(三日)「五百万人を抱えるバグダッドでどういう形で政治がかかわっていくのか、五百万人が犠牲にならない解決がありうるのか、とても考えられない」(四日)などとのべるものの、明確な戦争批判、反対表明は行っていません。