2003年4月7日(月)「しんぶん赤旗」
無法なイラク戦争を続行し、首都バグダッドを包囲して同市の武力制圧を狙う米英軍。バグダッドでの市街戦となれば、大流血の事態が懸念されます。すでに大量のクラスター（集束）爆弾、トマホーク巡航ミサイル、劣化ウラン弾など無差別殺傷の残虐兵器で多数の民間人犠牲者が出ています。罪のない市民、女性・子どもの犠牲はこれ以上許されない、一人でも多くの命を救えと、世界の多くの人々が憂慮。次の大集会まで待てない、「戦争を直ちにやめよ」の声を今すぐあげないと…との思いから、週末の五日にも米英両国をはじめ各地で反戦行動が繰り広げられています。
五日、米国の複数の都市でさまざまな平和団体の主催による反戦集会、デモが行われました。
カリフォルニア州オークランドでは数千人が集まりました。民主党のバーバラ・リー下院議員は、「私たちの金を戦争に使うなんておかしい、法律違反だ」、「平和を訴えることこそが愛国者だ」と集会参加者に訴えました。
「どこに証拠が？ 大量破壊兵器はどこにあるの？」というプラカードをもって参加したサラ・スーマンさん（２２）は、「ここへ来ないでなにもしなければ、戦争に賛成しているのと同じ。だから参加したんです」と述べました。
数千人が参加したシカゴの集会では、歌手のハリー・ベラフォンテさんが、多くの政治家は戦争反対の声をあげていないと批判。三百人が集まったデトロイトでは、民主党のコンヤーズ下院議員が、イラク攻撃は「憲法と社会倫理に反する」と強調しました。
ワシントンでは、飾りを付けた等身大のピースマークを持った女性ら数百人が集い、「すべてのアメリカ人が戦争に賛成じゃないと世界に知らせたい」と訴えました。
ロンドンでは五日、英政府と米大使館に向けて「イラク戦争やめよ」と要求する「戦争ストップ連合」主催の集会・デモが行われ、主催者発表で三千人（警察発表一千人）が参加しました。
同連合代表は演壇から「罪のないイラク国民の頭上に爆弾が次々に落とされている。汚水を飲む人々の映像、その人たちに爆弾を落とす米英連合軍の映像をわれわれは目にしている。ブレア首相は戦争犯罪人として投獄されるべきだ」と訴えました。
この日の抗議行動は、米Ｂ５２爆撃機の発進基地となっているイングランド・グロスターシャー州フェアフォード空軍基地やプリマスのデボンポート海軍基地でも行われました。
同連合は、政府の予算案演説が行われる九日にも、三十億ポンド（約五千七百億円）に上る対イラク戦費に反対する集会・デモを呼びかけています。
ドイツのハイデルベルクの米欧州軍陸軍司令部の前には五日、二千人が集まり、米英軍の攻撃で犠牲になった人々を悼んで花輪をささげました。
イタリアのアビアノ米空軍基地前でも約千人、スペインのバレンシアでは三万人が抗議行動に参加しています。
南アフリカ共和国でも五日、ヨハネスブルクで五千人、ケープタウンで二千人が反戦のデモ行進を行いました。参加者は「ブッシュ（米大統領）よ、なぜ妊婦を殺すのか」「ブッシュ、ブレア（英首相）、シャロン（イスラエル首相）は悪魔の代理人」などと書かれたプラカードを持って行進。
また「南ア政府がイラク戦争反対を公言しながら、米英両国への武器売却を決定したことは一貫性に欠ける」「イラク国民の死で金もうけしているも同然だ」と、自国政府を批判しました。
インドネシア・ジャワ島東部のクディリで六日、約一万人の市民がイラク戦争反対集会に参加しました。首都ジャカルタでは与党ゴルカル党の党員約千人が米英両国の大使館近くをデモ行進。ジャワ島西部のバンドンでは約二千人が反戦を訴えました。
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。