2003年4月7日(月)「しんぶん赤旗」
【ベルリン5日片岡正明】ドイツの民主的社会主義党(PDS)は五日、ベルリンで第八回臨時党大会を開催し、イラク戦争反対と平和勢力の結集を呼びかけました。
大会ではガブリエレ・ツィンマー議長が、米国一国が超大国として世界を力で支配しようとしていることが、イラク戦争の原因と分析。国連決議なしの米国の一方的な戦争開始で国連も危機にあるが、平和を求める世界世論の力で国連を強化しようと訴えました。
また、平和運動の高揚のなか、戦争否定の世論が広まっており、米国の力の論理に対抗する平和的解決の論理を強めるための欧州左翼の結集を呼びかけました。
さらに、ドイツの他の野党や政府与党も米国が国際法を犯してイラク攻撃を続けているとの点で論議を回避しようとしていると批判。独政府は一方では戦争を否定しながら、米軍機に領空通過を許しイラク周辺に空中警戒管制システム(AWACS)や対化学・生物兵器の部隊を派遣するなど、米軍を支援していると矛盾を指摘しました。
党大会は、(1)戦闘の即時中止と米英軍の撤退(2)侵略した側の責任によるイラクの復興(3)独政府のAWACS派遣や米軍の領空通過容認の中止(4)国連の場で米国のイラク攻撃を侵略とみなすよう独政府が他国とともに働きかけること―を求める決議を採択しました。