2003年4月8日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ7日小泉大介】イラクの首都バグダッド周辺に展開していた米軍は七日朝(日本時間同午後)、同市中心部に突入し、大統領宮殿などを占拠したと発表、イラクの戦争情勢は重大局面に入りました。
現地からの報道によると、この日バグダッド中心部にむけ侵攻したのは、同市から南西二十キロのサダム国際空港を拠点とする米陸軍第三歩兵師団などの部隊で、戦車や装甲車約百両が加わりました。同部隊は、フセイン大統領の執務室もある共和国宮殿を含め市内三つの大統領宮殿を制圧したとされます。
イラク側は共和国防衛隊がロケット砲などで応戦しました。またロイター通信は、住宅地を含む市中心部で交戦が起きたと報じました。米軍は六日までにサダム国際空港周辺に七千人の部隊を集結させ、本格的な首都侵攻の態勢づくりを進めていました。
七日の作戦に関し、米陸軍第三歩兵師団報道官は「これまでと違う本格的な攻撃」と述べ、カタールの米中央軍前線司令部は「米軍がいつでもどこへでも展開できることを示すもの」との声明を発表しました。
一方、イラクのサハフ情報相は七日午前、情報省前で記者会見し、大統領宮殿の制圧を全面否定するとともに、「われわれは侵略者とたたかい続ける」と述べました。
バグダッドでは米軍の地上部隊の侵攻と同時に、空爆も激しくおこなわれ、イラク人負傷者が殺到する病院の収容能力は限界に達し、医薬品も極度に不足しています。赤十字国際委員会は六日、「一時間平均百人の負傷者が病院に運び込まれている」と述べました。