日本共産党

2003年4月8日(火)「しんぶん赤旗」

緊迫 有事法案Q&A

自治体、民間は?

戦争協力に強制動員


 Q 自治体、民間企業はどうなるの?

 A 有事法案では、自治体や民間企業が戦争体制に強制的に組み込まれることになります。

 有事法案の中核である武力攻撃事態法案は、地方自治体や政府が「指定公共機関」に指定する民間企業が「武力攻撃事態」に対処することを「責務」と明記。戦争に強制的に動員されることになっています。

業種名まで明記

「指定公共機関」の範囲は極めて広く、NHK、日銀、日本赤十字社をはじめ電気、ガス、輸送、通信といった各機関・業種名を法案に明記。政府は、災害対策基本法で指定しているNTTや空港公団などの六十機関も、指定の際の「参考にする」としています。

 法案は協力の中身の一つに、自衛隊と米軍の作戦が「円滑かつ効果的に行われるため」の「物品、施設又は役務の提供」を挙げています。

土地・家屋も

 有事法案の一つである自衛隊法改悪案では、都道府県が、自衛隊のために土地・家屋の取り上げや物資の保管命令・収用などを行うことを定めています。医療、土木建築、輸送関係の企業・業者は、戦争協力業務に従事させられます。

 「国民保護」を口実に、武力攻撃事態法案で法施行後二年以内に整備するとされている国民統制法(国民保護法制)では、市町村も土地・家屋の収用を行うことなどを定めるとされています。

 米軍に対して自治体や「指定公共機関」が行う「物品、施設又は役務の提供」を具体化する法案は現在、「内容を深める作業」(内閣官房)が進んでいます。

 武力攻撃事態法案は、戦争協力を自治体や「指定公共機関」が拒否した場合、首相が法的拘束力のある「指示」を出すことができ、それでも従わないと、政府が直接乗り出して実施させることができます。

 戦争体制に強制的に組み込まれた自治体や企業で働く労働者にとって、戦争協力は「職務命令」であり、事実上、拒否できなくなってしまいます。


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