日本共産党

2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」

米軍、首都を支配下に

攻撃は続行 イラク政府は沈黙


 【カイロ9日小泉大介】バグダッドを無差別攻撃する米軍は九日、同市南西部への侵攻を北東部に広げ、首都全域を事実上支配下に置きました。イラク側の反撃はほとんど伝えられず、イラク政府側は何の発表もなく沈黙したままです。市内で取材にあたる外国人記者団の前からイラク情報省職員の姿が消えました。

 米軍はこの日、南西部から陸軍の戦車約二十台がチグリス川を渡り北東部に移動、これに海兵隊も加わり、人口密集地のサダムシティーなどへ侵攻。同夕には、市中心部公園に立つフセイン大統領像が米軍によって引き倒されました。

 米軍はフセイン大統領の故郷で、権力基盤の本拠地である北部ティクリットに残存勢力が残り、抵抗を行う可能性があるとし、攻撃を続けています。

 イスラム教シーア派住民が多く居住する首都のチグリス川東部では、一部住民が暴徒化、反フセイン大統領の集会を開いたり、政府施設におしかけ略奪や放火をしているとされます。

 国際赤十字委員会は九日、職員一人が行方不明になったと発表しました。同委員会は八日には米軍の空爆で、バグダッド北部の浄水場が破壊され、サダムシティーなど広範な地域で水の供給に重大な障害が生じていると報告しています。


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