2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」
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【モスクワ9日北條伸矢】モスクワの米国大使館前で九日昼、イラク攻撃に抗議する大規模な集会が開かれ、約十万人が参加しました。モスクワで開かれた政治集会としては過去十年で最大規模です。
集会は、労働組合やプーチン大統領与党「統一ロシア」などが呼びかけたもの。「世界の憲兵はいらない」「民主主義の理想を爆弾で破壊した米国は恥を知れ」といったスローガンがあふれました。集会は、「人類を結集する組織はペンタゴン(米国防総省)ではなく、国連だ」として、戦争の即時停止と国連の枠内で問題解決を求める決議を採択しました。
モスクワ出版大学一年生のベラさん(18)は、同級生四人と一緒に参加しました。手にしたプラカードには「アメリカはイラクから手を引け」と書かれています。「時間がなかったので、英語の宿題の裏紙を使ったんです」と恥ずかしそうです。
「政治集会に参加するのは初めて。今度の戦争は根拠がなく、罪のない人たちが次々殺されていてがまんできない。報道記者でさえ米軍に殺されている。会場で隣のクラスの友だちを見かけて驚いたわ。みんな怒っているのね」といいます。
市内第二八二学校十年生(日本の高校一年生)のアントン君(15)も、校長の許可をもらって同級生六人とやって来ました。「危ないかもしれないから女生徒は連れて来なかった」とのことで、「子どもたちを殺している米軍は許せない」と語りました。