2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」
【パリ9日浅田信幸】フランスのシラク大統領は八日、ルベルス国連難民高等弁務官との会談後の記者会見で、イラク復興では「国連が中心的役割」を果たすべきだとの見解をあらためて表明しました。シラク氏は「イラクの行政、経済、政治面での再建に必要な正当性は国連が有する」と強調。そのうえで「イラク国民が自らの手でその運命を決め、完全な主権を回復できるような状態をできるだけ早急に構築するため」各国が協力する必要性を指摘しました。
シラク氏は、同日アナン国連事務総長と電話で協議、「イラクの政治的、経済的な復興およびその管理については、国連だけが資格を有する」と伝えています。
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【ベルリン9日片岡正明】シュレーダー独首相は八日、ルーマニアのナスタセ首相との会談後の記者会見で、戦後のイラクの復興では国連が中心的な役割を担うべきだと改めて強調しました。
シュレーダー首相は、「国連がイラク復興に合法的な根拠」を持っており、これまでの「人道援助派遣の経験」からも「国連が戦後のイラクで決定的な役割を果たすべきだ」と語りました。
一方、ウィチョレクツォイル経済協力開発相は八日、イラク戦後復興の指揮は国連がとるべきとしながら、復興費用については「戦争を始めた国が財政的に責任を果たさなければならない」とのべ、米英による負担を求めました。