2003年4月10日(木)「しんぶん赤旗」
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医療団体連絡会議(医団連)は九日、東京都内で記者会見し、医療改悪によって患者が受診を手控え死亡するケースなど深刻な事態が進んでいることを告発、健康保険三割負担を二割にもどすなどの患者負担軽減を求める新たな運動を始めたことをアピールしました。
会見で全国保険医団体連合会の室生昇会長は「国民の健康悪化と景気悪化を懸念し医療改悪反対の運動をしてきたが、予想どおりの深刻な事態になってしまった」と指摘しました。
全日本民主医療機関連合会の肥田泰会長は、東京民医連が調査した、去年十月の高齢者負担増が在宅酸素療法患者に与えた影響を紹介。「軒なみ十倍前後の負担増になり、なかには治療を中断するなど、悲鳴があがっている」と告発しました。
日本医療労働組合連合会の田中千恵子委員長は、現場で患者からの窓口相談が急増していること、病院経営が行き詰まり職員の賃下げや、閉院に伴う失業の相談が労組に多く寄せられるようになっている実態を話しました。
医団連では、「患者負担の軽減を求める請願運動を起こす」として、「健保や退職者医療の三割負担を二割にもどすこと。高齢者の患者負担を軽減すること。国民健康保険の患者負担を二割に改善すること」とする署名運動を始めました。