2003年4月11日(金)「しんぶん赤旗」
【アンマン10日岡崎衆史】ヨルダン・タイムズ紙十日付社説は、イラクのフセイン体制崩壊を歓迎するバグダッド市民の声について、戦争終結と独裁体制崩壊への歓迎であり、米国の占領に向けられたものではないと主張しました。
同社説は、「戦争と(フセイン)体制が終結しつつあることへのイラク国民の安堵(あんど)は、この侵略が正当であることも、米国の占領が歓迎されていることも意味しない」と強調。とりわけ、(1)体制の外部からの押し付け(2)米英など「連合軍」による国際法と国連憲章の違反(3)多数の被害者や死亡者の存在─を正当化するものではないと述べました。
社説は、最後に、米軍が即時撤退し、イラクをイラク国民の手に委ねるよう求めました。
一方、同日付のアッデスツール紙掲載のバテル・ワルダム編集委員による論説は、バグダッド市民の対応を、独裁者から解放された「安堵感であり、衝撃を受け、何が起きているか分かっていない」と説明。その上で、「米国の占領が存在する限り、イラク国民に歓迎の言葉を送ることはできない」と述べました。