2003年4月13日(日)「しんぶん赤旗」
【カイロ12日小泉大介】バグダッドを支配した米軍は十一日までに北部の主要都市、キルクーク、モスルをクルド人武装勢力とともに支配しました。ブッシュ米大統領は十一日、「まだ戦争は終わっていない」とし、十二日には、フセイン大統領の故郷である北中部ティクリットへの侵攻を本格化させています。米陸軍第四歩兵師団を、クウェートからイラクに投入し始めました。
モスルでは、アラブ人とクルド人が衝突し、二十人以上が死亡したと伝えられます。バグダッドでは、十二日までに主要な医療機関のほとんどが略奪にあい、医薬品などの不足から一時閉鎖を余儀なくされる病院が相次いでおり、事態はモスルやバスラでも同様です。バグダッドでは十一日、ホテルが略奪されたうえ放火され、バスラでは同日、英軍が略奪者五人を射殺したと伝えられます。
イラク全土で広がる無政府状態にたいしラムズフェルド米国防長官は十一日、「自由社会に至るための代償」などと無責任極まる発言をおこないました。
イラクでは侵略者米国にたいする非難も日増しに高まっており、アラブのメディアは「米軍は自由と平和、安全をもたらすといったが、いまあるのは破壊と多数の死だけだ」「イラクに米軍はいらない」(エジプト国営テレビ)などのバグダッド市民の声を連日伝えています。