2003年4月14日(月)「しんぶん赤旗」
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【ワシントン12日遠藤誠二】米国の首都ワシントンでは、全米各地から集まった数万人がホワイトハウス近くの広場に集結、米軍によるイラク侵攻を批判するとともに、「占領やめよ」の声をあげました。
集会を主催したのは、反戦連合体の「国際ANSWER(戦争停止と人種差別終結を今こそ)」。演説したクラーク元司法長官は、「数千人の人々を殺りくした戦争は、国際法違反であり犯罪だ」と指摘し、「米軍は今すぐイラクを撤退」することと「ブッシュ大統領の弾劾」をよびかけました。
集会後、参加者は、「米国は中東から出て行け」「帝国主義者のための戦争反対」などと書かれたプラカードを持ちながら、「オキュペーション(占領)はリベレーション(解放)ではない」との掛け声をあげホワイトハウス周辺をデモ行進しました。
ジョージア州から参加したティム・フランゼンさん(25)は「戦争開始の理由である大量破壊兵器が見つかっていないことをみても、米国の戦争は侵略的要素が強い。米国は次の標的をイランやシリアなどに絞っており、再び戦争が起きる可能性が高い。米国の外交政策を告発することが必要」と主張。メリーランド州に住むアラブ系アメリカ人男性のアリさん(28)は、「人の頭の上に爆弾を投下する解放など存在しない。イラクはじめ中東のほとんどの人々は、米軍の『解放』など支持していない」と断言しました。
マサチューセッツ州スプリングフィールドから来たリン・ラボンティさんは、「米国はイラクから出て行け。国連に任せよ」と書かれたプラカードについて、「米国がイラクに侵入したときには、国連の支持はありませんでした。米国は今度は『ピースメーカー』としてイラクを占領しようとしていますが、米国が平和を確立したことなどありません。でも国連には世界の支持があります」と話していました。
国連の旗を掲げて集会に参加したロジャー・モーガンさん(37)=ミネソタ州ミネアポリス=は、「私が国連旗を掲げているのは、国連憲章の原則を支持しているからです。ブッシュ大統領はその原則を無視し、違反しています。国連にはイラクへの対処だけでなく、米国にも対応してほしい」と語りました。