2003年4月15日(火)「しんぶん赤旗」
【カイロ14日小泉大介】イラクの主要都市を次々と制圧した米軍は十四日朝、フセイン大統領の故郷で最後の拠点とされる中北部ティクリットの中心広場に侵攻、中心部を制圧しました。前日夜から十四日未明にかけての米英機による激しい空爆につづき、米海兵隊第一海兵師団が戦車や装甲車など約二百五十両で大規模な侵攻をおこなったといいます。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、米軍は十三日以降、地元の十五の部族代表らと停戦交渉を開始しており、部族側は米軍に抵抗する意思はないと発言しており早期に話し合いがまとまる可能性もあります。同市にはカタールに駐留していた米陸軍第四歩兵師団も向かっています。
英米軍によるイラク主要都市の支配を受け、米国は南部ナシリヤで十五日、フセイン体制崩壊後のイラクの暫定行政機構設立にむけた第一回会合を、イラク反体制派の代表を招請し開催する予定です。しかし、イラク全土に広がる略奪などの無政府状態とともに、国民の間に広がる占領者への反発もあり、成果を疑問視する声もあがっています。イラク国民会議(INC)のチャラビ議長は十三日、この会合への不参加を表明しました。
バグダッドでは十四日未明、外国メディア関係者が宿泊している中心部のパレスチナ・ホテル付近で米海兵隊が武装した男数人と銃撃戦を展開しました。また、十三日には中心部のホテル周辺でイラク人による反米集会が開催され、参加した約百人の市民は「ブッシュを倒せ」「米軍は即刻イラクからでていけ」「ブッシュもフセインと同じだ」などのスローガンを叫びました。