2003年4月16日(水)「しんぶん赤旗」
自民、公明両党と連立を組む保守新党の松浪健四郎衆院議員(大阪十九区)が一九九七年から九八年にかけて、暴力団組員(当時)が会長を務め、事実上経営していた大阪府貝塚市の建設会社に秘書給与計二百七十五万円を肩代わりさせていたことが十五日、分かりました。同議員は、会長が大阪府警から談合容疑で指名手配中に、府警に捜査状況を照会していたことも判明、暴力団関係者との不明朗な関係が浮き彫りになりました。
保守新党の二階俊博幹事長は、同議員の党内処分について「今のところ考えていない」という態度で、元公設秘書の一連の疑惑で大島理森前農水相が辞任したことに続き、与党の「政治とカネ」をめぐる問題への無反省ぶりを改めて示しました。
松浪事務所によると、九七年三月から七月、同年九月から九八年二月の間、地元の私設秘書二人分の給与計二百七十五万円をこの建設会社から受け取っていました。
この元組員は九八年八月ごろまで指定暴力団酒梅組系の幹部で、同年三月、府営住宅解体工事をめぐる談合容疑で逮捕されました。
捜査関係者によると、松浪議員は元組員が同容疑で指名手配中で逮捕直前の三月、元組員と都内で面談。その場で府警に電話をかけ、捜査状況について質問しました。同議員は、九七年末の時点で会長が暴力団組員だったことを知っていたにもかかわらず、給与の肩代わりを翌年二月まで続けていました。
松浪議員は、九六年に初当選、現在二期目。衆院議院運営委員、党国会対策副委員長などを務めています。二〇〇〇年十一月には、森内閣不信任決議案の反対討論の際、演壇から野党議員にコップの水をまき、二十五日の登院停止処分を受けました。