2003年4月16日(水)「しんぶん赤旗」
英各紙は米英軍のイラク占領について厳しい批判の目を向けています。
ガーディアン紙
イラクのフセイン政権の事実上の崩壊について英ガーディアン紙十日付社説は、「専制政治が別の専制政治に取って代わられることがあってはならない」と米政権の占領姿勢に強い警告を発しました。
同社説は「イラクの『解放』は、国内の不安定や外部からの搾取へと向かうものであってはならない。戦前の約束は実行されなければならない」と述べ、「米ブッシュ政権は、イラクの事態で、将来先制的、単独行動的で不法な戦争が承認されたと理解すべきでない」と厳しく指摘しました。
インディペンデント紙
インディペンデント紙十日付社説は、「米英軍が国連の明確な決議なしに軍事行動に訴えたことは、彼らの軍事行動の法的な資格に疑いをもたらしている。米英は、国家主権の尊重という国際秩序の最も基本的な原則を踏みにじった」と批判。「だからこそ、国連がイラクの再興で重要な役割を果たさなければならない」と主張しました。
デーリー・ミラー紙
空爆で傷を負った子どもたちを救えと訴えるデーリー・ミラー紙は九日付社説でつぎのように強調しました。
「戦争に訴えることが正しいとは確信してこなかった。だれもが一致するのは、イラクの子どもたちが責めを負うものではないということである。しかしながら、彼らの多くが犠牲になってしまった」「両腕を無くしたアバス君やそのほかの子どもたちは、救われなければならない。長く困難な過程だろうが、われわれはそれをする義務がある。英国民もそれを望んでいる」
(ロンドンで西尾正哉)