2003年4月16日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ15日小玉純一】米国防総省の復興人道支援室(ORHA)主催によるイラク暫定統治機構(IIA)発足へ向けた準備会合が十五日、イラク南部のナシリヤで開かれる予定です。
フランクス米中央軍司令官のもとでイラクの占領支配を進める米国は、ガーナー退役陸軍少将率いるORHAに、IIAをコントロールさせる構想を進めています。
今回の会合で、米軍は、IIAにどんな反フセイン勢力を合流させるか見極める場とする狙いがあります。
十五日午前の段階で参加を表明しているのは、湾岸戦争以降に米国から多額の資金供与を受けたイラク国民会議(INC)のチャラビ議長の代理のみ。米国が見極めるほどの参加は見込まれず、早くも行き詰まりを見せています。
米国によるかいらい政権樹立を批判しているイラク・イスラム最高革命評議会(SCIRI)は、反米の立場を主張するとして一度は参加を表明しましたが、十四日、SCIRI指導者の一人ハキム氏が「米国のかさは受け入れない。イラク国民は従属を拒否する」とのべ、ボイコットを表明しました。SCIRIのスポークスマンであるハキム氏は、今回の会合に参加するのは、自分の知る限りでは、ほとんどの勢力が低いレベルの代表しか送らないとロイター通信にのべています。クルド愛国連盟(PUK)も、出席を「検討中」だとのべるなど積極的ではありません。