日本共産党

2003年4月17日(木)「しんぶん赤旗」

学問の自由を罰則でゆがめる

国立大学法人化法案

石井議員が危険性指摘


 国立大学法人化法案の本格審議が十六日、衆院文部科学委員会で始まり、日本共産党の石井郁子議員が質問に立ちました。

 大学の自治の重要性についての質問に、遠山敦子文科相は「大学の自治は憲法二三条に保障された学問の自由の精神に由来し、当然ながら十分に尊重する」と答弁。これをうけて石井氏は「今の答弁とこの法案には大きな矛盾がある」と指摘しました。

 石井氏は、法人化後に各大学が達成を求められる「中期目標」について、「地域や世界にどう貢献するのかなど、本来大学が自主的に定めるべき中期目標を、法案はなぜ『文部科学大臣が定める』としているのか」と追及。遠山文科相は「各国立大法人の意見に配慮する」と述べるだけで、事実上答えられませんでした。

 石井氏が「配慮の結果ふさわしくないと判断すれば、(中期目標の内容を)削除したり改めさせたりするのか」とただすと、河村建夫文科副大臣は「財政上の理由から大学法人が作成した原案と異なることも考えられる」と答弁。中期目標を達成するために大学が作る中期計画についても「大臣が計画の変更を命じることができ、従わなかった場合には過料(二十万円以下)が科せられる」と述べ、大学の自主的な教育研究計画が、予算や罰則を盾にゆがめられる危険性が浮き彫りになりました。

 石井氏は「これは学問の自由、大学の自治への介入だ」と厳しく指摘しました。


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