2003年4月18日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ16日小玉純一】バグダッドでは米軍の占領下の今も、米軍が投下したクラスター爆弾の子爆弾による子どもの死傷事故が相次いでいます。
アラブ首長国連邦の新聞ガルフ・ニュース十六日付(電子版)によると、アリ・ムスタファ君(4っ)は十四日朝、バグダッド市街地の自宅近くで小さな円筒状の物を見つけ、拾いあげ、遊んでいるとき、突然爆発、顔面に大けがを負いました。
同紙は「小さな男の子は血まみれた病院のベッドで泣き叫び、うめき、もがいていた。医師は顔面を覆うガーゼの包帯を外れないようになんとか押さえているが、少年の両目はすでに失明していた」と報じています。
同紙はまたバグダッド住民の証言として、クラスター爆弾の爆発で子ども二人が四日前にも殺されたとして、この事故で負傷した十歳の男児の父親の話として、底がくぼんだ薬ビン大の物で遊んでいたところ爆発が起きたと伝えています。
バグダッドのカディミア病院のアルタイ医師は「それは爆弾のようには見えない。子どもはそれで遊び始めてしまう」とクラスター爆弾の危険性を指摘しています。
米中央軍報道官は十四日、記者団の質問に答えて、米軍がバグダッド市街地にクラスター爆弾を使用したことを初めて認めました。
クラスター爆弾は約二百個の子爆弾を散布する爆弾で、広範囲を破壊するだけでなく、不発弾が対人地雷化するなど殺傷能力が高く、残虐兵器としてその禁止が要求されています。