日本共産党

2003年4月18日(金)「しんぶん赤旗」

無反省の与党に各紙が批判

松浪問題

「同じ穴のムジナか」

「事の重大性わかっていない」


 秘書給与の提供や便宜供与など暴力団との関係が発覚した保守新党の松浪健四郎衆院議員(大阪十九区)ですが、辞任の意思はなく与党三党もおとがめなしで、ことの重大性にまったく鈍感です。

不処分の方針自・公も容認

 暴力団は政府が壊滅をめざすべき反社会的な無法集団です。そういう組織と政治家との関係はあってはならないことで、議員辞職が当然です。

 これまで自民党など与党政治家は権力維持やカネのために暴力団と癒着し、黒い関係を持ってきました。一九八七年の竹下政権誕生の裏で、自民党首脳は“ほめ殺し”中止のため稲川会会長に協力を要請。暴力団が一国の首相選定に介在した「皇民党事件」です。

 このとき皇民党側に接触した政治家として名前の挙がった森喜朗前首相は、元暴力団組長の長男の結婚式で仲人を務めるなど暴力団との関係が明るみに出ました。同氏が官房長官に任命した中川秀直・現自民国対委員長は、右翼団体幹部に政治家としての致命的な弱点を握られ、捜査情報漏えいなどの疑惑で辞任。

 松浪議員も組員の依頼で捜査状況を大阪府警に照会しており、暴力団関係者との交遊だけでなく政治家の立場を利用した便宜供与は、政治的、道義的にも許されません。

 与党の自民、公明両党は、松浪氏が所属する保守新党の不処分方針を容認。議員辞職勧告決議案が出された場合の対応でも「違法性がなければ否決する」(自民・山崎拓幹事長)、「粛々と対応する」(公明・神崎武法代表)という態度です。身内をかばう姿勢の甘さだけでなく、暴力団との癒着という重大問題への認識のなさが問われます。

 全国紙も「同じ穴のムジナなのかと、つい勘ぐりたくなってしまう」(「朝日」十七日付社説)、「事の重大性が分かっていないのではないか」(「毎日」同)と指摘しています。

社説で批判の論陣を展開

 与党の無反省な姿勢に、地方紙も十七日付社説で、「政治とカネ」の問題とも関連させた批判の論陣を展開しています。

 「このまま幕引きを図ろうとしているのだろうが、この程度の説明では納得できない。自らを律する規範を見失いながら、発覚すれば神妙に反省を口にするのはいつもの光景だ。この甘さが庶民の感覚とのずれを露呈している」と、辞任拒否を表明した松浪議員に矛先を向けるのは高知新聞。

 中国新聞は「組員と知りながら事件の問い合わせをしたのは議員としてあるまじき行為である」とのべ、二百万円の当選祝い金を受け取ったことからも、組員に便宜を図った疑念があると指摘。

 同様に河北新報も「暴力団組員との付き合いは軽視できない」「捜査状況を照会する行為は『軽率』のひとことでは、とても済まされないような重大な汚点を残した」と暴力団との関係を重大視しました。

 各紙は「松浪議員が居座ることになれば、国会の威信にかかわることになる。松浪議員は、自らの行為が政治をどれほど卑しめているかを知るべきである」(神戸新聞)、「国会議員の資質を論ずる以前の問題であり、反則を犯した以上、潔く退場するしかあるまい」(北海道新聞)と一様に議員辞職を求めています。


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