2003年4月18日(金)「しんぶん赤旗」
米軍機による民間空港の使用数が昨年(二〇〇二年)、二十八空港、七百九十回にのぼったことがわかりました。国土交通省の調べによるもの。また、外務省の調べによると、民間港湾への主要米艦船の寄港が八港、十三回に達することもわかりました。(表1)
米軍機による民間空港の使用は、〇一年は八百八回で、空港数では八増、回数では十八減となっています。
過去二年、使用がなかったのに、昨年着陸があった空港は、函館、八尾、広島、花巻、富山、石見の六空港。着陸回数で多いのは、米軍佐世保基地に近く、人員・物資輸送の拠点となっている長崎、福岡の両空港。仙台、旭川、高松の各空港では、昨年に比べ二倍前後に増加しています。(表2)
旭川空港事務所によると、米陸軍と陸上自衛隊が、上富良野演習場などで積雪寒冷地実動訓練をおこなった昨年二─三月の時期に集中しており、同訓練にかかわっての利用とみられます。
国土交通省の仙台、高松空港の各事務所は、米側が使用目的を明らかにすることがないため、「なぜ増加したのか、わからない」といいます。
民間港湾への寄港は、九港、十四回だった〇一年に比べ微減。しかし、〇一年に寄港のなかった小樽、大阪、博多、長崎にも入港しています。
米軍の民間空港や港湾の使用は、米国のアジアでの戦争に日本が協力するガイドライン(日米軍事協力の指針)の具体化として行われているもの。「法的根拠」は、日米地位協定とされていますが、自治体の要請で米軍が使用を見合わせるケースもあります。
現在、政府・与党が成立を急ぐ有事法案では、政府に、法的拘束力のある「指示」権や直接執行権が与えられ、自治体は拒否できなくなります。
港 | 艦船名 | 入・出港日 |
---|---|---|
小樽 | ミサイル駆逐艦カーティス・ウィルバー | 6月27日〜30日 |
下田 | ミサイル巡洋艦カウペンス | 5月16日〜20日 |
大阪 | 揚陸指揮艦ブルーリッジ | 4月14日〜17日 |
呉 | 掃海艦ガーディアン | 2月13日〜15日 |
掃海艦パトリオット | 2月13日〜15日 | |
ミサイル・フリゲイト艦ゲアリイ | 6月24日〜27日 | |
徳山 | 掃海艦ガーディアン | 2月21日 |
掃海艦パトリオット | 2月21日 | |
博多 | ミサイル巡洋艦シャイロー | 8月16日〜19日 |
長崎 | ミサイル駆逐艦カーティス・ウィルバー | 6月 6日〜10日 |
鹿児島 | 掃海艦ガーディアン | 2月27日〜3月4日 |
掃海艦パトリオット | 2月27日〜3月4日 | |
ミサイル駆逐艦カーティス・ウィルバー | 4月12日〜16日 |
順位 | 空港名 | 02年の回数 | 01年の回数 | (順位) |
---|---|---|---|---|
1 | 長崎 | 306 | 291 | ( 1) |
2 | 福岡 | 114 | 120 | ( 2) |
3 | 名古屋 | 92 | 87 | ( 4) |
4 | 仙台 | 70 | 38 | ( 6) |
5 | 奄美 | 65 | 111 | ( 3) |
6 | 旭川 | 33 | 14 | (10) |
7 | 高松 | 32 | 17 | ( 9) |
8 | 大分 | 9 | 6 | (13) |
9 | 中標津 鹿児島 | 8 8 | 21 2 | ( 8) (15) |