2003年4月18日(金)「しんぶん赤旗」
米軍のイラク占領支配下、アメリカのてこ入れで結成された反フセイン派亡命組織、イラク国民会議（ＩＮＣ）が十六日、米軍の指示によりバグダッドでの行政機構づくりを開始しました。米軍の占領支配の合理化のためつくろうとしている暫定統治機構を先取りした動きといえます。
米中央軍のフランクス司令官は同日、バグダッド近郊の空港に設置されている米軍拠点を訪問。ブッシュ大統領らにテレビ会議で現状の報告を行いました。
バグダッドからの報道によると、ＩＮＣのチャラビ議長が十六日、ＩＮＣ軍事部門の「自由イラク軍」とともに四十五年ぶりにバグダッドに入りました。ＩＮＣは同日、バグダッドに事務所を設置すると発表しました。
米軍によって訓練された「自由イラク軍」は、米陸軍の制服を身につけて“米軍化”していることから、バグダッド市民から奇異の目で見られているとロイター電は伝えています。
「自由イラク軍」幹部のズバイディ氏は十六日、バグダッドの「暫定市長」に就任したと一方的に宣言。クウェート駐留の米当局者は、数日内にイラクの数十万人の公務員にたいして一律二十米ドルの臨時手当を支給すると発表しました。
ＩＮＣのチャラビ氏は、長く米国との強いつながりを持つ人物です。米国議会が採択した「イラク解放法」（一九九八年）にもとづき、フセイン大統領追放作戦のためＩＮＣを通じて少なくない額の資金を受領。チェイニー米副大統領やラムズフェルド米国防長官など米政府中枢からの強い支持を受けてイラク入りしました。
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