2003年4月19日(土)「しんぶん赤旗」
【ロンドン17日西尾正哉】英国の人道援助団体「セイブ・ザ・チルドレン」は十七日、医療物資を積んだイラクへの輸送機の着陸を米英軍が拒否したことを明らかにし、占領軍に秩序を回復し人道援助の条件を整えることを義務付けたジュネーブ条約に違反すると米軍を批判しました。
同団体は、モスルの病院に供給するためにイラク北部のエルビルに医療物資や栄養不良の子どものための緊急補給キットなどを輸送しようとしていますが、米英軍が安全を理由に着陸を許可しないとしています。
同団体の緊急援助責任者は「モスルの病院では医師たちが戦闘や略奪の中、電気や水なしに懸命に働いている」と指摘。「米軍の非協力は、ジュネーブ条約に違反する。しかしさらに重大なことは時間の浪費が子どもたちの命を奪っていることだ」と米軍を批判。
同団体によると、四月十二日にエルビルへの着陸許可を申請。米軍は四日以内に許可が下りるとしましたが、五日後に安全になるまで着陸は許可しないと通告。同団体は、国連はすでにエルビルは安全が確認された地域だと宣言していると反論しています。