2003年4月21日(月)「しんぶん赤旗」
【ワシントン19日浜谷浩司】米国防総省がイラク国内の基地の「長期」使用を計画していることが十九日、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)の報道で明らかになりました。
米軍によるイラク基地の永続的使用は、シリアやイランをにらむとともに、中東での米軍基地再編に対応するもので、ブッシュ米政権がイラク戦争に踏み切った狙いの一つとみられてきました。同紙は、複数の政府当局者の話でこれを裏づけました。
同紙によると、米国は事実上のかいらい政権であるイラク「新政権」発足後、「長期の軍事関係」を結ぶ計画。基地使用の確保とともに、中東地域で「米国の影響力を行使」しようとしている、といいます。
米軍が長期使用を検討しているのはバグダッド郊外の国際空港、南部ナシリヤに近いタリルの空港、西部砂漠地帯にあってヨルダンと結ぶ石油パイプライン沿いにあるH―1と呼ばれる飛行場、北部クルド地域にあるバシュール飛行場の少なくとも四カ所。これらはすでに作戦に使用しています。
「新政権」との間でこうした緊密な軍事関係ができれば、「地中海からインド洋にいたる中東、南西アジア地域で展開されている戦略的革命におけるもっとも特筆すべき出来事の一つになろう」と、同紙は指摘しました。ただ、これらの基地を確保しても、駐留米軍の規模を抑えるためにも「部隊を恒常的に駐留させるとの発表はしないだろう」といいます。