2003年4月21日(月)「しんぶん赤旗」
【アンマン19日岡崎衆史】イラク国内で、不発弾となったクラスター爆弾(集束爆弾)の子爆弾による被害が相次いでいます。
バグダッドからの報道によると、同市内で十九日、イラク人の女の子が米兵に手渡した子爆弾が爆発し、女の子と米兵四人が負傷しました。女の子が腕にけがをしたほか、兵士の一人は足を切断したといいます。
米軍側は、事件について、米兵の命を狙った意図的なものではなく事故だと主張。女の子は七歳前後で、負傷した後、家族が病院に連れて行ったといいます。
米軍当局によると、不発弾となったクラスター子爆弾の爆発で、十八日にも、イラク人男性一人が死亡し、米兵三人が負傷しています。
十九日、イラクの首都バグダッド市内の病院で治療を受けるアリ・ムスタファちゃん(5っ)。十一日に原っぱで兄弟と遊んでいて、クラスター子爆弾に触れ、爆発で四方に飛んだ破片を全身に浴びました。たぶん視力は回復しないだろうといいます。
ベルギーの慈善団体「第三世界のための医療援助」から派遣され、ここ五週間、戦争が民間人に及ぼした影響を調べているある医師は、「同様の被害例を百以上見てきた。恐らく半分は子どもだ。地上には子爆弾がなお残っており、けが人が次々と病院に運ばれている」と語っています。
バグダッド中央小児病院の医師たちも、三月二十日の米英軍の戦争開始以来、クラスター爆弾による患者を数百人診てきたと証言しています。
一発のクラスター爆弾はソフトドリンクの缶サイズの子爆弾二百個以上をパラシュート付きでサッカーのピッチ二面分にばらまきます。一部は着地後も爆発せず、触れたり移動させたりしたときに破裂します。緑、黄、白に塗られ、知らない者にとっては“物珍しげな物体”に見え、「チャイルド・キラー」と医師たちは呼んでいます。