日本共産党

2003年4月21日(月)「しんぶん赤旗」

英国

「大量破壊兵器発見されず」

与党議員からも批判


 【ロンドン20日西尾正哉】ブレア政権がイラク戦争開始の口実にしたイラクに存在するという大量破壊兵器がいまだ発見されないことで、英政権与党の労働党議員やメディアから、「大量破壊兵器はどこにいったのか?」という批判が強まっています。

 また「イラクが大量破壊兵器保持」の「情報」を流した情報機関に対し調査を求める動きも出ています。

 インディペンデント・オン・サンデー紙二十日付は一面に「それら(大量破壊兵器)はどこにあるのか、ブレア首相?」との大見出しを掲げ、国民の反対を押しきって開戦したブレア首相を追及。「不法な弾頭一つ、化学薬品のドラム缶一つ、証拠となる文書一枚もない。一カ月以上の戦争と占領にもかかわらず、イラクが大量破壊兵器を保持する証拠がない」と指摘しています。

 同紙は「占領から一カ月たっても決定的証拠が出なければ、誤った方針を受け入れさせるために情報機関を政府がいかに利用したかについて国会議員たちが調査を求めるのは正当である」と述べています。

 ガーディアン紙十九日付は、下院で軍事行動に賛成した労働党議員でさえも態度を硬化させていると報道。このなかで賛成票を投じたリンゼイ・ホイル議員は、「われわれはイラクが四十五分以内に大量破壊兵器を発射することができると確信させられた。それらの兵器はどこに消えたのか」と述べています。

 また、下院保健委員会のデービッド・ヒンクリフ議長は「多くの人は真実はなにかということに懐疑的だ」と語り、前国防担当閣僚のダグ・ヘンダーソン氏は「今年中に(大量破壊兵器が)発見されなければ、戦争は非合法ということになる」と指摘しています。各議員の怒りは、「イラクの大量破壊兵器保持」の「情報」を流したMI6(英対外情報部)にも向かっており、調査すべきだとの声があがっています。


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