2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」
航空自衛隊のF15戦闘機が米軍の空中給油機から空中給油を受ける初めての訓練が二十一日、始まりました。五月二日まで、新田原基地(宮崎県)と九州西方空域、四国沖空域でおこないます。空自は、二〇〇六年度に自前の空中給油機の導入を予定しており、訓練はその導入に備えたものです。
訓練をおこなうのは、空自のF15戦闘機が四機(北海道・千歳基地など)、米軍の空中給油機一機(沖縄・嘉手納基地)。このほか、空中給油時の警戒のため、空自の空中警戒管制機(AWACS、静岡・浜松基地)一機が参加します。
政府は二〇〇〇年十二月に自前の空中給油機四機の導入を決定。〇二年度、〇三年度の予算に各一機の調達費用を盛り込んでいます。
防衛庁は導入理由について、敵機を迎え撃つために戦闘機を空中で滞空させる時間を延長できることなどをあげています。しかし、空中給油機は戦闘機の航続距離を飛躍的に伸ばすことによって、海外への侵攻も可能にします。実際、石破茂防衛庁長官は、自衛隊による海外の「敵」基地攻撃能力の保有を「検討に値する」(三月二十七日)と明言しています。
空自は、六月にアラスカで米空軍が主催する多国間演習(コープサンダー)に、F15戦闘機六機を参加させますが、このときにも、アラスカへ向かう途中で、米軍の空中給油機から空中給油を受ける予定です。