日本共産党

2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」

労働法制改悪 きょう審議入り

ここが焦点 法案の中身


 法案の内容をみると−−。

《派遣−製造業に解禁》

 労働者派遣法改悪案は、派遣期間の上限を一年から三年に延長し一部専門業務は無制限に、製造業務は派遣解禁にします。

 派遣期間の上限が延長されても、現在派遣で働く労働者の契約期間が延長される保証はありません。企業は、不要になったらいつでも契約が打ちきれるよう、現在でも一カ月から三カ月といった短期契約を更新しています。ねらいは、一年では困難な正社員などが行っている業務を派遣に置きかえることにあります。とくに、八百万人が対象となる製造業務への解禁は重大です。派遣へのおきかえが大規模にすすむことは避けられません。

 派遣労働は、派遣会社が雇用した労働者を企業にレンタルするしくみ。使用者である企業が雇用責任を負わずにすむため、企業の横暴がまかり通っています。

《有期・裁量制の拡大、解雇の自由化》

 労基法改悪案は、▽パートタイマーや契約社員など有期雇用の上限を現行一年から三年に延長する▽働いた時間でなく仕事の成果で賃金をはかる企画業務型裁量労働制を本社以外にも大幅拡大する▽原則解雇自由になりかねない解雇規定の創設−−が柱です。

 有期雇用の上限延長は、派遣労働の場合と同様、パート労働者の雇用期間が延長される保証はなく、正社員の業務を有期雇用におきかえることがねらいです。いつでも退職の自由がある正社員と異なり、有期雇用では契約期間中に退職すれば、企業から損害賠償を請求されかねない問題もあります。

 裁量労働制の拡大は、大企業で横行する企業犯罪であるサービス残業をホワイトカラー全体に合法化し、「成果」の名のもとに過労死するほどの長時間労働を強いるものです。現在、仕事や時間配分の裁量権がないのに導入されているケースが多くあります。

 解雇規定の創設では、使用者は「労働者を解雇できる」と原則解雇自由とし、例外として「ただし、客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は権利乱用で無効としています。「解雇には正当な事由が必要」という判例で確立した法理を逆転させるものです。現在、解雇の立証責任は使用者に課せられていますが、これが労働者に課せられることになりかねません。


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