日本共産党

2003年4月22日(火)「しんぶん赤旗」

イラク難民

千人以上ヨルダン国境に

国連 “米英に治安回復の責任”


 【アンマン20日岡崎衆史】イラクのフセイン政権崩壊後、同国の急速な治安悪化のため、続々と難民が発生しています。国連機関は二十日にアンマン市内で記者会見し、状況改善のため、イラクを占領している米英両軍に対して、治安回復を急ぐよう求めました。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のケスラー報道官は、ヨルダン国境近くまで避難してきた難民は二十日午後までに千人を超えたと発表。難民は、ヨルダン政府が入国を許可しないために、設備の整っていないイラク側国境地帯で立ち往生していると述べ、ヨルダン政府に一刻も早い受け入れを迫りました。

 一方、国連ヨルダン事務所のネジブ・フリジ報道官は、「占領軍は、ジュネーブ条約に基づいてイラクの治安を回復する責任がある」と述べ、難民流出の原因となっているイラクの治安状況を米英軍が直ちに回復するよう求めました。

 難民の多くは、治安悪化による略奪や暴力から逃れてきた人たちで、イラン系のクルド人が六百人以上で最も多く、ほかにイラン人、パレスチナ人、イラク人が含まれます。うち、子どもだけで四百人を超え、老人、病人、数日後に出産を控えた妊婦もいます。

 バグダッドから避難して来たパレスチナ人たちは、UNHCR職員に対して、武装したイラク人に「立ち去らなければ男は殺し、女はレイプする」と脅されたと話しているといいます。


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