2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
米軍の先制攻撃に自衛隊が参戦し、自治体や民間を総動員する有事三法案について、与党が、二十二日の衆院有事法制特別委員会の理事会で連休直後の参考人招致を求めるなど、審議を加速させる動きを強めてきました。
同日の理事会では、二十四日午後に野党側の質疑を行うことを決定。その後の審議日程について、自民党の久間章生筆頭理事は、連休明け直後の五月六日から委員会審議を行うよう要求。同日に参考人質疑を行いたいとし、連休前の四月二十四日に参考人招致の議決を行うよう求めました。
久間氏は「参考人質疑が終わったから即採決とは言わない」としつつも、執拗(しつよう)に連休前の参考人招致の議決を要求。公明党の田端正広理事もこれに同調しました。
これに対し、野党側は、与党の要求は連休明け早々にも衆院を通過させようとする動きだとして、「参考人招致の議決は時期尚早」と反対しました。鳩山邦夫委員長は「連休後に審議できるように、日程は連休前に決めてほしい。与野党筆頭理事間を軸に協議してほしい」と発言しました。また、民主党の前原誠司筆頭理事は政府・与党案の対案として、「緊急事態対処基本法案」と「武力攻撃事態法案」修正案の二法案を早ければ今週末、遅くとも三十日までに提出する意向を明らかにしました。
日本共産党の木島日出夫議員は審議加速を図る与党側の動きに対し、「民主党の対案が提出される前に参考人招致を議決するなど拙速だ」と強く批判。中央公聴会、地方公聴会の開催も要求しました。