2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
衆院本会議で二十二日、労働者派遣法、職業安定法両改悪案の趣旨説明がおこなわれました。一般派遣労働者の派遣期間の上限を一年から三年に延長するとともに、これまで禁止されていた製造現場への派遣を解禁するもの。「派遣労働は臨時的・一時的労働力」という現行派遣法の考え方を捨て、劣悪な労働条件の労働者を急速に増やすことになります。
質疑のなかで坂口力厚生労働大臣は、「迅速、円滑、的確な労働力需給の結合促進をして、企業活動に必要な労働力の確保を図る」と答弁。企業が必要とするときに必要なだけ、労働者を安く使えるようにするねらいを明らかにしました。財界の強い要求で正社員から派遣労働者への置き換えが急速にすすむなかで、正社員の採用が減らされ、やむを得ず派遣労働を選ぶ人も少なくありません。
派遣期間上限の延長が、賃金・労働条件の悪化に拍車をかけるという指摘にたいし、坂口厚労相は、「派遣労働者のなかには、派遣元事業所に常時雇用されることを望まず、期間や職場を選んで働きたい労働者が相当数いる」などと答え、不安定、低賃金の派遣労働を選ばざるを得ない実態に背を向けました。