日本共産党

2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党が提案

「パート・有期労働者均等待遇法案」要綱(骨子)


 日本共産党が参院に十八日提出した「パート・有期労働者均等待遇法案」要綱(骨子)は次のとおりです。


 日本共産党提案「短時間労働者、有期雇用労働者等と通常の労働者との均等な待遇の確保等に関する法律案」(略称・「パート・有期労働者均等待遇法案」)要綱

 (1)対象者の拡大(第二条第二項、第六条、第七条等)

 この法律において「短時間労働者、有期労働者等」とは、短時間(パートタイム)労働者、有期労働者(通常の労働者と同一の事業所に雇用される労働者で期間を定めて雇用されるもの)その他の同一の事業所に雇用される通常の労働者以外の労働者をいうものとする。

 (2)差別的取り扱いの禁止(第五条の二)

 事業主は、賃金、休暇、教育訓練、福利厚生、解雇、退職その他の労働条件について、労働者がパート・有期労働者等であることを理由として、通常の労働者と差別的取り扱いをしてはならないものとする。

 (3)通常の労働者への応募機会を付与(第七条の二)

 (1)事業主は、通常の労働者を募集しようとするときは、現に雇用している同種の業務に従事するパート・有期労働者が通常の労働者として雇用されることを希望するときは、これに応募する機会を優先的に与えなければならないものとする。

 (2)事業主は、通常の労働者について、子の養育、家族の介護、職業能力開発等のために、当該労働者の申し出に係る期間、パートタイム労働者として雇用するための措置を講ずるように努めなければならないものとする。

 (4)均等待遇の実効性を担保する措置(第一〇条、第一〇条の二等)

 (1)厚生労働大臣はパートタイム・有期労働者と通常労働者との均等な待遇の確保、または雇用管理の改善を図るため、必要ある時は事業主に対して、報告を求め、助言、指導、勧告を行うことができる。

 (2)厚生労働大臣は(3)及び(4)の(1)に違反している事業主に対し勧告をした場合、事業主がそれに従わなかったときはその旨を公表できる。

 (5)処罰(第一〇条の三、第三二条の二、附則第一条)

 厚生労働大臣は、勧告に従わなかった旨を公表する措置を講じても従わない事業主に対して、是正命令を発することができる。命令に従わなかったものに対して罰則を設ける。(罰則については、いきなり施行するのではなく、どの場合に勧告が出るか、また判例等も積み上げられ本法が広く行き渡った時期を見るために、法施行後五年を目途に施行することとしている)

 (6)国の物品及び役務の調達にかかる入札及び契約のあり方の検討(付則第二条)

 政府は、パート・有期労働者の待遇確保に資するため、国の物品及び役務の調達に係る入札及び契約のあり方について、待遇確保を順守する事業者に受注の機会を与える観点から検討し、必要な措置を講ずる。(国が官公需の契約締結の場合、パート・有期労働者を差別しない企業と契約を結ぶという趣旨。均等待遇を実効あるものにするため)

◇   ◇

 日本共産党は一九八九年十一月、「パート労働法立法提案要綱」を発表し、さらに一九九三年六月、政府提案の「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律案(パート労働法)」審議の際、参院労働委員会に修正案を提案しました。これはパートタイム労働者に対し賃金はじめ福利厚生、社会保険適用、母性保護などの諸権利を一般労働者と不当に差別してはならないことを内容とするものでした。今回の法案はこれまでの内容を踏まえ、今日の到達点にたって、よりいっそう発展させたものです。


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