2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
【アンマン21日岡崎衆史】アラブ連盟のムーサ事務局長は二十一日、ヨルダンの首都アンマンを訪れ、ムアシェル外相と会談しました。両者は、米軍によるイラクの長期基地使用に反対し、速やかな撤退を求めることで一致しました。
共同記者会見に臨んだムーサ事務局長は、米軍がイラク国内の基地の長期使用を計画しているとの米紙報道について、「アラブ諸国を脅かす危険な事態であり、支持できないし、受け入れられない」と言明。さらに、「アラブはこの問題で共通の立場をとるべきだ」と述べ、イラク国内の米軍駐留や基地使用の長期化反対でアラブ諸国が結束するよう求めました。
ムアシェル外相も、「イラクを占領している米英両軍は完全に撤退すべきだ」と述べるとともに、「イラク人による新政権が早期に形成されるべきだ」との見解を表明しました。
米ニューヨーク・タイムズ紙二十日付は、米軍がイラク国内の四つの基地を長期に使用できるよう計画していると報道。アラブ諸国では、基地恒久化の動きに対して不安が広がっていました。
報道について、ラムズフェルド米国防長官は二十一日、「その可能性は低い」と反論したものの、長期使用の可能性を完全には否定していません。
一方、ムアシェル外相は、米国防総省の復興人道支援室(ORHA)のガーナー室長が設置するイラク軍政機構との関係について、復興問題で協力はするが、「承認はしない」と語りました。
平和維持などの理由でアラブ諸国の部隊がイラクに派遣される可能性については、「話題にするのは時期尚早だ」としながらも、「派遣するならば、国連の傘下となる」と語りました。