2003年4月23日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ22日小玉純一】バグダッドからの報道によると、米軍によるシーア派指導者ファルトシ師の逮捕に抗議するデモが二十二日、同市中心部で行われ、約一万人のシーア派信徒が参加しました。前日に続く抗議行動です。米軍は二十二日、同師を釈放しました。
二千人が集まった二十一日の抗議行動では、参加者は「ファルトシ師を釈放せよ」「植民地主義ノー」などと米軍部隊が駐屯するパレスチナホテル前で叫びました。「アメリカはフセインのバース党のようだ」という声もありました。
ファルトシ師は、穏健的なシーア派聖職者アブドルマジド・ホエイ師を殺害したといわれる急進派に近い指導者とされており、バグダッドからシーア派の聖地カルバラに向かう途中、米軍に拘束されたといいます。カルバラでは二十二日、シーア派の預言者ムハンマドの孫イマム・フセインの死を悼むため、約百万人の信徒が集まりました。
幹線道路では米軍戦車も行く手を阻まれています。巡礼者からは「米国が干渉するならわれわれはたたかう」という話も聞かれます。シーア派の巡礼は、フセイン体制が禁じていたため、一九七〇年代以来初めてです。シーア派はイラク人口の六割を占めます。
一方、二十一日にバグダッド入りした米軍のイラク占領機関・復興人道支援室(ORHA)のガーナー室長(米陸軍退役中将)は二十二日、イラク北部サリィーマニヤを訪問、クルド愛国党幹部らと懇談しました。