2003年4月25日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン23日遠藤誠二】米政府当局は二十三日、イラクを出国し米国に戻った報道関係者や米兵らが、美術品などの略奪品を持ち帰ろうとしていたと発表しました。
国境警備・税関局によると、先週末から週明けにかけて、ワシントン、ボストン、ロンドンの各国際空港で、絵画などの美術品が押収されました。
現在まで、米フォックス・テレビの技術担当の男性が、十七日に十二点の絵画を持ち込もうとしてワシントン郊外のダレス空港で摘発されました。絵画はサダム・フセイン大統領の長男の所有物だったといいます。フォックス・テレビはこの男性を解雇しました。同空港では二十一日にも、報道関係者がイラクから送った絵画、ピストルの革ケース、ナイフなどが発見されています。
またロンドンのヒースロー空港でも、イラク政府施設から持ち去られた金ぱく塗りのピストル、ライフルなどが荷物検査で見つかり、米兵が自国に持ち込もうとしていたことが分かりました。
ボストンのローガン空港では、地元日刊紙の記者が絵画などを持ち込み、取り調べを受けています。
米英軍によるバグダッド制圧後、首都にある国立博物館などで略奪が発生し、貴重な歴史的文化財が持ち去られています。専門家は、文化財を守らなかったとして米英軍を非難しています。